DruckFanJP

ドイツの青春ドラマDruck(Skam🇩🇪)のファンページです

Druckがもっとわかる重要キーワード

ベルリンのギムナジウムに通う16-18歳(2002-2003年生まれ)の生徒たちが直面する2ヶ月を切り取った1エピソード25分前後、全10話の青春ドラマ。Druck。日本とは全然違う高校生活を送っている彼らをただ見ているだけでも楽しいけれど、これがわかるともっと作品を楽しめるキーワード3つを紹介します。

f:id:DruckFanJP:20211102234021j:plain



ギムナジウム

ベルリンの中等教育は大まかに分けると2種類に分かれています。一つ目がDruckの主人公たちが通うギムナジウム。二つ目がIntergrierte Sekunderstufeと呼ばれる中高一貫教育校です。例外を除いてほとんどが公立の学校になっています。
ギムナジウムは小学校の5年生か6年生終了時のタイミングで希望する生徒が進む7年制or5年制の学校になります。ここでは主に大学や専門学校に通うための資格アビトゥア(略称:アビ)取得に向けて勉強します。卒業は12年生で大体18歳ほどになります。
 
”大体”と書いたように、ドイツには全教育過程を通して留年制度があり、様々な理由や様々なタイミングで留年をする生徒がいるため、全員が卒業時18歳という風には必ずしもなりません。
移民としての背景を持つ生徒が、語学力や母国との教育制度の違いなどによってもう一年学びましょう。ということもありますし、病気や怪我、家族の事情で修学が遅れたため、下の学年から。ということもあります。他にも、中等教育から高等教育に進む際の試験や次学年に進む時に学力の偏りや不足のためにもう一度学年をやり直したり。と比較的よくあること。という受け止められ方をしています。
Druckのキャラクターの例で言うと、ノラのお姉さんのゾーイが数学の不足のため一年留年をしています。
二つ目の中高一貫教育校でも同じようにアビトゥアを取れますが、ギムナジウムと違うところは卒業が13年生であることと、途中で職業専門高等教育学校過程に移れることです。この職業専門高等教育学校では、15歳あたりから専門的な技術と一般的な高等教育を並行して学び、最終学年に近くなると更に実践的に職業訓練の機会が与えられます。その後続けて専門的な職業に着くこともできますし、アビトゥアを取得して大学や専門学校に通うことができます。
恐らくDruckのキャラクターの中ではサシャがこのタイプの学校に通っているのではないでしょうか。
ギムナジウムと言っても今では教育制度の改革が行われているので、以前ほどは小学校のうちの優秀な生徒のみが通う学校というイメージから変わってきています。それでもDruckの主人公たちはまさにその教育改革(2004年と2010年)が起こっている年代の学生たちなので、彼らの親世代とはまた異なった学習環境に身を置いています。そして、ドイツは学歴社会でもあるので、大学に行くべき。学位を取ってこそ。という社会的な雰囲気もあります。そんな中で、朝8時から(そう、ギムナジウムの開始時間は早いことが多いのです。その代わり、15時くらいに学校が終わります)みっちり勉強をして、待ち受けるアビトゥア取得に向けて準備します。
アビトゥアは12年生の最後に大体二日間に分けて行われ、5教科選択式で筆記と口述試験になります。そして、その資格を無事取り終えるとめでたく大学に入学できます。医学部や極端に希望者が多い学部でない限りドイツの大学は基本的には入学選抜試験がなく、自分の好きなタイミングで好きな学部に入学できます。なので、ドイツの高校生はアビトゥアを取れば未来が大きく広がっていくわけで、自分の未来もこの試験一つに掛かっていると感じているのです。だからこそ、そのアビトゥア修了は大事なイベントで、Abiball=パーティーで彼らの7年間or5年間のサバイバルを華々しく祝うとなるわけです。
 
Druck=プレッシャーというドラマのタイトル通りギムナジウムの生活はそうした、待ち受ける未来への不安と希望とが折り混ざった彼らのストーリーなのです。
 

ドイツのティー

Druckを見ていて、ドイツの高校生たちのフリータイムの過ごし方に驚いた人もいるのではないでしょうか。例えば、お酒や喫煙の描写があること。ドイツでは飲酒年齢が16歳から段階的に解禁されます。16歳であれば、ビールやワイン、シャンパンのような発泡酒であればOK、カクテルや蒸留酒などの強いお酒はアウトです。そして18歳からは全アルコール飲料が解禁になります。
そして、喫煙ですが、これは18歳からOK。なので、時々キャラクターたちがこっそり吸っているのは、本当はだめなことなのです。(もちろん演じている人たちは18歳以上なので、役者さんたちや製作陣が法律違反をしているわけではありません)
他にはSeason6の冒頭で、仲良したちでルームシェアをしていることにびっくりした人もいるのではないでしょうか?ドイツ、特にベルリンなどの大都市では家賃が高騰しているため若者のルームシェアが非常に盛んで、保護者の許可さえあれば18歳以下であっても親元を離れて住むことができます。ただ、Druckのキャラクターたちの場合は後のストーリーで明らかになってくるのですが、親元に居づらい事情を抱えている子たちということもあり、高校生のみでのルームシェアは結構珍しいことではあります。
 

多文化社会ベルリン

ベルリンはEUの中でも特に存在感が大きいドイツの首都ということもあり、ドイツ以外にルーツを持つ人々がたくさん集まっている街です。
Druckに登場する学生たちを見てもまさにベルリンの街そのままを映しとったような景色です。ガンビア系のファトゥ、アメリカとドイツのルーツを持つジョシュ、南米と様々なアフリカのルーツを持つエヴァ。ブラウンの肌のメンバーからすでに多様で、東南アジアルーツだけでもベトナム系のフィンとキウミィ。ドイツとタイのルーツのヤラ。そしてトルコ系のイスマイルことおしゃれ番長イジー
実際、およそ35%がドイツ以外からのルーツを持つ人たちで構成されているという調査結果も出ている首都ベルリン。製作陣のインタビューの言葉にもあったように”信憑性に満ちていて、そして、身近に描かれていること”がSkamverseやこのDruckの最大の魅力で最大の特徴なのです。
これからのストーリーでも時々彼らのバックグラウンドが垣間見えるエピソードがあるのでそこにも大注目です!
 
 
DruckfanJPのサポートを募集しております。
 
 
 
参考資料